『倉林 敏のヒットCMの予感』は、倉林 敏による独自の評価軸により、気になったCMを新たな視点でするどく捉えます。 業界篇、今回は大型小売業の国産乗用車に注目。(1) トヨタ オーリス 常識への裏切り篇 (2)SUBARU XV 「Free Field "BIKE~Taril"」篇(3)三菱自動車 アウトランダー「クジラ」篇(4)資生堂ツバキのCMを比べます。
(3)三菱自動車 アウトランダー「クジラ」篇
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/outlander/
EVではMiEVが話題の三菱自動車だが、普通車ではどうだろうか、ということで注目したのが、プレミアムツーリングSUV「アウトランダー」。
三菱が誇る先進の安全装置「e-Assist」搭載。
CMをみてみよう。まずクジラの映像、そして山間の道を走るアウトランダー、音楽は、ベートーベン第9、4楽章「歓喜の歌」だ。そこにクジラの絵の挿入もはさみながら、ナレーションで、「レーダーとカメラでぶつからない、はみださない、先進の安全技術e-Assist搭載」と入り、最後は海沿いの道で片やクジラのジャンプ、片やアウトランダーというショットで、「堂々と地球を走ろう」というキャッチとナレーションで終わる。
このクジラと「歓喜の歌」って何の関係があるのだろうか?
クジラのセンサーがe-Assistの象徴?ならばもっとクジラの違う撮り方があるだろうし、また「歓喜の歌」って、大きなセレモニーのオープニングに使われるような曲で、まあ登場感といえば違いないかもしれないが、何か"大時代"がかっている。
いすれもが、アウトランダーの"堂々と"を表現しようとしているのかもしれないが、果たし視聴者はそう見るだろうか?
これって何の関係?って首ひねる方が多いんじゃないだろうか?
倉林 敏
ITコンサルタント、ビジネスコンサルタント、マルチメディア施設プロデューサー、 WEBサイト開発コーディネーター等々様々な活動に関わる。著書に『ビジネスモデル特許で憶万長者になる法』、『超訳IT用語事典』、『IT革命がわかる30冊』、『英語サイトなんか怖くない』、『ケータイ・マー ケティング革命』その他講演・座談会等多数。
http://www.kurabayashibin.com/